愛犬も高齢になり立ち上がることが難しくなると、食事の介助が必要となってきます。
人間同様、かむ力や飲み込む力が弱くなってくると、流動食が必要です。
ここでは、老犬の流動食のメリットや作り方、与えるときの注意点についてお伝えします。
目次
なぜ流動食がいいのか
高齢になると犬もかむ力や飲み込む力が弱くなってきます。
消化することも難しくなってくるので、なるべく柔らかくて食べやすいフードを与えるといいでしょう。
また、流動食はふやけているため水分量が多いです。
シニア犬は足腰が弱っているケースも多く、水飲み場に行くのも億劫がります。
単純にのども乾きにくくなっているので、脱水症状に陥らないためにも十分な水分を流動食で与えることができます。
消化器官やかむ力、飲み込む力が低下しているシニア犬に無理やり固いドッグフードを食べさせるのは良くありません。
健康維持のためにも、その犬に合ったフードを与えましょう。
流動食の作り方
犬の流動食の作り方を紹介します。
1.カロリーを計算する
犬も高齢になると、必要なカロリー量が減っていきます。
消化に負担をかけないためにも、低カロリー・低脂肪の食事を与えましょう。
愛犬に必要なカロリー量は、まず安静時に必要なカロリー(PER)を算出します。
PERの算出にはまず適正体重を知る必要があります。
犬種など個体ごとに異なるため、動物病院等で教えてもらうといいでしょう。
PER=70×適正体重(kg)^0.75(0.75乗)
これに1.4(状況による数値、老犬の場合は1.4)をかけることで、1日に必要なカロリーを計算することができます。
2.ドッグフードをふやかす
ボールやタッパーを用意し、30~40℃程度のぬるま湯を入れます。
ドッグフードを器に入れ、しっかり浸るまでぬるま湯を注ぎます。
ラップをかけ、そのまま15~30分ほどかけてふやかします。
十分ふやけたら、ぬるま湯を捨てましょう。
3.シリンジに入れる
ドッグフードにぬるま湯を混ぜ、ミキサーで攪拌(かくはん)します。
はじめから全部の量を入れるとなかなか粒が無くならないので、最初は少量づつ攪拌して、
徐々に入れる量を増やしましょう。
ちょうどいい硬さになったら、シリンジ(注射器)に移し替えましょう。
シリンジは1本だけだと足りない可能性があるため、複数用意しておくことをおすすめします。
与える際に気を付けるべきこと
以下、犬に流動食を与える際に気を付けるべきポイントです。
1.上半身を起こし、頭を上げる
上半身を必ず起こした状態で、流動食を与えましょう。
寝たきりの犬だからといって横になったままの状態で与えてしまうと、のどや食道に詰まらせてしまうおそれがあります。
またあごだけを上向きにしてしまうと、誤嚥が発生する確率が高まります。
誤嚥性肺炎につながるおそれもあるので、特に気を付けましょう。
上半身を支えられない犬は、クッションや座椅子などで身体を固定してあげるのも一つの手です。この時に歩行器で体を支えられると効率が上がり、介護者の負担も減ります。
2.口の端から流し込んでいく
シリンジの先端を愛犬の口の端に入れて、少しずつ流し込んでいきましょう。
犬が噛みしめて口を開かない場合は、唇の犬歯部分を圧迫すると口が開きます。
開いたら犬歯の脇からシリンジを差し込み、犬の飲み込む速度に合わせて流し込みます。
飲み込んだらまた同じ要領でシリンジを使って流動食を食べさせてあげます。
3.時々、水も与える
飲み込む力が弱くなっているため、口の中などに食事が残ってしまっている可能性があります。
そのため、フードのあとは水を与えましょう。
流動食と交互に水を上げると飲み込みやすくなる場合も有ります。
4.短時間で食事を済ませる
身体に負担をかけないためにも、食事は短時間で終わらせたほうがいいです。
必要なモノは事前に用意しておくなどして、効率的に食事を済ませましょう。
5.食後は口の周りを拭きとる
食べ終わったら、口の中を水で湿らせ、ガーゼで拭きとってあげます。
清潔な状態にすることで、歯周病を予防できるからです。
歯周病は放置してしまうと、ほかの病気につながりかねません。
口周りをキレイに拭きとってあげたあと、しばらく頭が高いままの姿勢で様子を見ます。
もし嘔吐などを繰り返す場合は、できるだけ早くかかりつけ医に診てもらいましょう。
他の注意ポイントも知ろう!
寝たきりの老犬を介護する際の気を付けておきたい6つのポイントでは、食事の時以外にも気を付けておきたいことを紹介しています。
寝たきりの愛犬がいるという方は、ぜひご確認ください。
愛犬に元気になってもらうためにも、色々試してみよう!
愛犬も高齢になると、食欲不振になったり、食事をとるのが難しくなったりします。
食べるのが困難そうなときは、流動食に切り替えるのも一つの方法です。
流動食を与えるときは、上半身を起こす、時々水もあげるなど注意が必要。
消化器が衰えてくるので、回数を増やして胃腸の負担を減らすことも大切です。
最後の瞬間まで愛犬に食べてもらうためにも、色々と工夫を凝らしましょう。
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